003・電子カルテ 診療科と使いやすさ

「使いやすい」とは何を指すのでしょうか

使いやすさとは

目次

  1. 電子カルテの使いやすさとは
  2. 診療科別のスタイル傾向
  3. 連携機器の傾向(診療科別

1.電子カルテの使いやすさとは

電子カルテを検討する際「どこも出来る事は一緒」と感じた事は無いでしょうか。

多くの電子カルテでは、どの診療科でも ある程度使える ように設計されています。
デモンストレーションを見ても、システムの方がパパっと操作してしまい「できる事」の確認で終わる事も少なくありません。その為、「どこも一緒」そういう印象を持ってしまいます。

実際の診療所にも協力をいただきながら、機能について開発・改善を繰り返して製品化しているので、よほどの事でもない限り「できる」のです。機能が一緒だから、なるべくコストを抑えようとするのは危険です。電子カルテではクリック一つ、画面の遷移一つが診察に大きく影響をします。

実際に利用者のアンケートでは、評価ポイントとして「使いやすい」と「使いにくい」は同じ位の結果になります。サポートは販売店に大きく依存するので結果に差が出るのは仕方ありませんが、評価が機能であればそこまで差がでるのはおかしい話になります。これは、利用者のスタイルにより評価が大きく変わる、真逆になってしまうことを指します。

したがって、電子カルテの比較で大事なのは機能ではありません。
「使いやすさ」なのです。

使いやすさの定義

求めている(将来的に理想としている)スタイルを明確にすることからはじめます。
そこに診療科の特徴を加えてみます。
最後に、機能・操作性について優先順位などパラメータを足し算、掛け算してスコア化します。

  • 診療スタイル・目的
  • 診療科別の特徴
  • 各社システム比較 機能(複数の同じ評価軸)
  • 操作性(クリック・遷移)
  • 「絶対使う」か「使うかも」か
  • 医療機器との連携・相性 操作性(クリック・遷移)
  • 依頼・結果取り込みの手順
  • 同期内容(患者属性、結果)
  • 加減点

使いやすさの求め方

ある程度はスコアで表現出来ます(最終的にUI・GUIの好みなど考慮する必要があります)

これは、複数社で比較する際、電子カルテの視点による「使いやすさ」のスコアリング例です。
加減点には色、配置などの好みなどが想定されますが、「慣れ」で解消するものは避けた方が良いと思います。

例)腰部撮影のオーダー(各社電子カルテのみ)
      A社  B社  C社
オーダー  2*3 3*2 4*1 ※1
取込み   1*1 2*1 3*1 ※1
結果    7   8   7   ※2
加点    3   3   5   ※3
最終    4   5   2   ※4
----------------------------------
     2位  3位  1位

※1 オーダー、取込み:クリック数 × 画面遷移
※2 結果:オーダー+取込みの合計(少ない方が良い)
※3 加点:機器との連携具合などを各社相対で評価
※4 最終:少ない方が「使いやすい」

評価:C社が「使いやすい」
・クリック数は多いが、遷移は1回で完結
・連携具合も他と比べて評価が高い

5つのボタンで5つの手順を行うより、

1つのボタンで5手順分をまとめて処理できる方が

「使いやすい」という事です

2.診療科別で確認しておきたい事

プレゼン、提案を受ける際、各診療科で確認しておきたいポイントの一部です。これらは、電子カルテの機能になりますが、この操作手順、画面遷移、クリック数は必ず確認しておくことをおすすめします。
その他、共通分としては患者の登録、自費診療と保険診療の切替え、セットの登録・修正、文書のテンプレートなども必ず確認が必要です。

デモンストレーションでは、これら機能が医師の診療スタイル、利用頻度を考慮し、マストかベターかを見極める事が大事になります。

特徴
内科投薬はDo入力からの処方追加・修正(処方歴)
後発医薬品含む薬剤DB・漢方薬
アレルギー・体質との禁忌チェック
セット処方・セット検査
前回検査日
クラーク運用
院内・外注検査の連携
紹介状、証明書の発行
往診
オンライン診療
小児科ついで受診(兄弟・両親)
月齢
成長曲線
予防接種の間隔・種類
前回接種日の確認
力価入力(体重からの自動換算)
紹介状・明書等
時間外の電話対応
オンライン診療
皮膚科デジタルカメラ・スキャナー
セット処方
シェーマ(各部位毎)
耳鼻咽喉科クラーク運用
季節性の流行
耳鼻科専門の接続機器
セット処方・セット検査
処置単独・処置の同時進行も多い
シェーマ
整形外科
リハビリ(治療計画・実績)
予約管理
自賠責・労災
シェーマ機能
オーダー機能
PACS連携
眼科診察前の検査等
眼科専門の接続機器が多い
SOAPなど経過シート(検査数値・シェーマ)
PACS連携
セット処方・セット検査
心療内科直接入力
入力文字制限
家系図
投薬履歴
カウンセリング
音声の記録・文字変換

3.連携機器の傾向(診療科別)

連携頻度の高い医療機器の一部となります。連携内容はもちろん、反映時間も確認下さい

  • 患者属性は共有可能か(同一IDで管理できる・重複入力の有無)
  • 結果は電子カルテに自動で取込みできるか
  • 電子カルテ上から確認できるか(専用アプリが必要か)
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